「異常高」ニッポンの教育費

「異常高」ニッポンの教育費 年齢別の中身を解剖! | 舞田敏彦のデータで読み解くDUALな疑問 | 日経DUAL

子どもができたら必ずついて回るのが教育費の悩みですが、わが子を大学まで出すのにどれくらいかかるのでしょう。ゴールの大卒時に総額2205万円となる次第です。この中には、大学生の子への仕送り金などが含まれませんので、実際にはもう少し高くなると思われますが、公的なデータから試算するとこのような額になります。少子化をもたらす元凶は教育費だといわれますが、さもありなんです。小学校低学年では「習い事・月謝」が幅をきかせていますが、年齢を上がるにつれて「家庭教師・学習塾費」の比重が大きくなります。大学教育にカネがかかるのはどの国でも同じですが、その費用を公(国)が負担するか、私(個々の家庭)が負担するかについてはバリエーションがあります。28か国の高等教育費の公私負担割合をグラフにしてみました。公費負担割合が高い順に並べましたが、日本は下から4位です。高等教育の費用負担が「私」に押し付けられる度合いが高い社会です。

下宿学生の仕送り額はどんどん減っており、最近では3人に1人が5万円未満もしくはゼロです(全国大学生協組合調査)。その分、長時間のバイトをする(せざるを得ない)学生も少なくないのですが、疲れて授業中居眠りをするなど、教育活動に支障が出る事態にもなっています。また生活も切り詰めているようで、私が勤務している某大学では、昼休みになるとカップめんの自販機の前に行列ができます。