教師は教育職ではなく事務職

忙しさの原因 - 西川純のメモ - 『学び合い』

> 私が高校教師だった二十数年前は、学校には余裕がありました。

> 今は違います。

> 多くの人は、教師は、夏休みは暇だろうと思っています。実際は全く違います。毎日、毎日、研修が連続して組まれ、年度によっては授業のある期間より忙しいのが実情です。

> 最近、もてはやされているフィンランドの教員の労働時間は6時間16分(日本11時間6分)で睡眠時間は7時間42分(日本6時間23分)です。私が知っている人の経験談に、笑えない話があります。上記の状態を問題にした労働基準局が学校に申し入れをしたそうです 。しかし、労働基準局の申し入れた労働時間では学校の仕事が終わりません。そこで、教務主任が学校近くの喫茶店で仕事や会議をすることを提案し、そうなったとのことです。

> 日本の教員は何故こんなに忙しいのでしょうか?先の調査によれば、書類作成に大きな差があることを指摘しています。例えば、フィンランドでは月当たりの書類作成は5.7なのに対して、日本のそれは22.8と極端に多い状態です。

> 現在の教師は教育職ではなく事務職になっているのです。

> マニュアルを作れば、それはそれ以降毎年実施されることになります。なぜなら、「もう必要はない」という説得力のある説明は困難であるからです。

> 各種調査は最終的には冊子としてまとめられます。文部科学省、県、市町村でそれぞれまとめられた冊子が学校には山のようにあります。