流行

まあ、超弦とかは流行ってるっぽいですけどね。

相転移P on Twitter: "@hottaqu この辺の話でいつも思うのですが、非相対論的場の理論はどういう扱いなのでしょう。こちらは空間三次元のモデルである程度まともなのも何とかやれているのですが、相対論的というか超弦というか、数学的に格好いい方ばかり目立っている感があり、とてもつらいところです"
> 相対論的というか超弦というか、数学的に格好いい方ばかり目立っている感

🍡 on Twitter: "しかし、我々を含む現実を記述している場の理論は、もっと情報の多い hard analysis を要するものだと思われて、目指すべき真の定式化は、n圏的なものと、作用素環的なものと、頂点作用素的なものを全て含んだ何者かになっているはずです。"
> しかし、我々を含む現実を記述している場の理論は、もっと情報の多い hard analysis を要するものだ

Masahiro Hotta on Twitter: "@phasetr その制限を取り払ったときに出てくる数学的多様性には興味があるわけです。将来ローレンツ対称性が高エネルギー領域で破れていることもあり得ます。対称性は実は創発的であり、低エネルギーで近似的に存在する可能性も。そうだとすると対称性のないモデルの理解も物理として重要。"
> 対称性が高エネルギー領域で破れていることもあり得ます。対称性は実は創発的であり、低エネルギーで近似的に存在する可能性も



【メモ】
微分積分学を厳密に学ぼうとすると、学び始めてすぐに2つの強敵にぶつかります。1つは関数の極限操作や連続性などを厳密に証明するときに用いるε‐δ論法、もう1つはデデキントの切断カントールの公理などが出てくる実数論です。普通、ε‐δ論法だけでも苦戦するのに、そこへ実数論が追い打ちをかけるので、ほとんどの人が音を上げてしまいます。そして具体的な関数の微分演算や積分演算の修得のみに終始することになりがちです。”(原惟行、松永秀章『イプシロン・デルタ論法』)

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「大学での本格的な数学や物理では、ほとんどの場合、まだ正体のわかっていない関数たちが相手」であり、「ほとんどの人が音を上げてしまいます。そして具体的な関数の微分演算や積分演算の修得のみに終始する」ということは、すなわち、ほとんどの人は『本格的な微積分を(数学としては)学ばない』ということを意味しています。「数学としては」と言うのは、(数学とは違って)物理では『物理的なイメージに立脚』して具体形がわからない関数を扱うことができると(物理をよく知らない私は)推測しているからです。数学でも『物理的なイメージを利用』することは大いに推奨されます。しかし、『物理的なイメージに立脚』したのでは数学ではなくなってしまう、と私は思います。本格的な微積分を『数学として学ぶための足場』を与えるのが、ε‐δ論法と実数論です。そして、これらは『ルベーグ積分論(測度論)』を学ぶための足場でもあります。現在の解析学(確率論を含む)は、『ルベーグ積分論(測度論)』に基づいています。春学期は主としてε‐δ論法を扱って、秋学期は主として実数論を扱います。

注:ただし、本格的な微積分を学ばなくても何とかなる(本格的な他の数学を学ぶことはできる)という側面はあります。まず、解析以外の分野の数学を学ぶ場合、その側面は強いでしょう。解析の場合でも必要が生じれば、その都度、対処すれば良いという側面があります。しかし、対処するためには足場であるε−δ論法、実数論、ルベーグ積分論(測度論)が必要です。したがって、この3つを修得することが(現在の)解析学入門です。積分論については3回生の秋で扱われる予定ですが、解析方面で特に他大学の大学院進学を希望する学生は、(例えば、伊藤清三『ルベーグ積分入門』などで)自習することを勧めます。ここでは『複素解析』は解析とは別の独立の分野であるとしています。複素解析方面で進学を希望する学生は、複素解析の学習をすると良いと思います。

例えば、「連続な関数は体積が定まる有界閉集合上でリーマン積分可能である」とか、「下に半連続な関数は空でない有界閉集合上で最小値を取る」などの定理があるのですが、これらの定理では関数を具体的には指定していません。関数を具体的に指定せずに関数について考察をすること、及び、それらの考察と具体的な計算を有機的に組み合わせて具体的な関数を調べることが本格的な微積分です。残念ながら、本講義では本格的な微積分にあまり重点を置かないので、特に他大学の大学院への進学を希望する学生は本格的な教科書で自習することをお勧めします。