学力と所得階層の相関性

誰が給付型奨学金をもらうべきか?ー給付型奨学金が求められる背景
> 高騰し続ける授業料と低迷が続く世帯所得のアンバランスさ、つまり家計における教育費の負担の高まりだ。
> 授業料が高騰した理由は、教育の充実や設備の改善、大学内の奨学金制度の充実などが挙げられる。一方、世帯あたり平均所得はほとんど増えておらず、むしろ2000年以降は低くなっている。
> 全世帯が427万円となり、200万円台の世帯が14%と最も多い。
> 家計における教育費の負担は重くなる一方、大学進学率が高まってきたのは親が苦労して子どもを進学させてきた背景がある。
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> どこの大学に行くかが非常に重要であるが、学力だけではなく所得も大きく影響しているのが現状だ。
> 学力と所得階層の相関性は強い。高校の成績上位者は低所得層では14%だが、高所得層では28%と2倍の差がある。そして、新卒採用が一般化されている日本では、学歴が重視されており、どこの大学を卒業したかで生涯年収も異なってくる。
> 東京大学在校生の世帯年収は950万円以上が半数以上を占めており、学歴と所得階層の相関は明らかだ。
> 低所得層ほど大学に価値をおいておらず、「誰でも大学に入れる時代だから、大学を出てもたいした得にはならない」と思っている(低所得層32%、高所得層19%)。ところが実際は大学教育の収益率は6〜8%ほどになっている(大卒と高卒の収入格差は約1.4倍)。
> 大学進学を選択しない低所得層の家庭も一定数存在する。
> 教育の格差是正のために、各国では大学授業料の無償化や奨学金導入が進められているが、OECD34カ国中、給付型奨学金制度が存在しないのは日本だけだ(半数は大学授業料が無償)。
> 日本は教育の公的負担率が低く、私的負担が高くなっている。
> 理想の子供数(2.42人)を持てない最大の理由は「子育て・教育にお金がかかりすぎること」(60.4%)と答えており、家計における教育費の負担増は喫緊の課題である少子化にも大きな影響を及ぼしている。