保育崩壊

岩波新書 - 岩波書店
> 狭き門をくぐりぬけて保育所が決まっても、自分の子どもが通う保育所に不安を覚え、一安心とはいかない現実がある。
> 泣いている子どもが放置され、あやしてももらえないでいる。
> 食事の時にはただの作業のように「はい、はい」と、口いっぱいにご飯を詰め込まれ、時間内に食べ終わるのが至上主義のように「早く食べて」と睨まれる。
> 柵の中で囲われ、狭いところでしか遊ばせてもらえない。
> 「背中ぺったん」「壁にぺったん」と、聞こえは可愛いが、まるで軍隊のように規律に従わされる子どもたち。
> 表情は乏しくなり、大人から注意を受けたと思うと、機械的に「ごめんなさい」と口にするようになっていく――。
> 「この子のために、仕事を辞めた方がいいのではないか」と切迫した気持ちになる。